EXHIBITIONS & FAIRS

Goyo Gallery × AWASE gallery 共同企画展「物極必反」|Curated by Mizuki Endo



10月3日(土)より、Goyo Galleryにて、AWASE galleryとの共同企画展「物極必反」を開催いたします。

「物極必反」は、物事が極まると必ず反転する、という中国の故事成句です。何事につけ限度を超えると、それは反対のものへと変貌していく。本展では、この言葉を「既存の価値規範に従いながら、より高い価値へと極端に寄せ続けることを、いま一度立ち止まって考える」という視点へと読み替えます。

本展は、キュレーター・遠藤水城による構想のもと、「映像」「絵画」「イベント」「印刷物」という四つのカテゴリーによって構成されます。それぞれは一見すると互いに無関係でありながら、同じ空間のなかで並列し、緩やかに交差します。異なる実践が互いを補完するのではなく、それぞれの自立性を保ったまま共存することで、一つの展覧会としての新たな風景が立ち上がります。

映像作家・青山真也、画家のヤンニス・アリストテルス、山田康平、美術同人誌〈泉〉を主宰する永田奈々禾、エディトリアルデザイナー・森大志郎が参加し、それぞれ異なる実践を展開します。

Goyo GalleryとAWASE galleryによる本企画は、異なる背景や価値観が交わることで、新たな展覧会のあり方を模索する試みです。ぜひ会場で、それぞれの実践が交差することで生まれる、新たな展覧会のかたちをご体感ください。

キュレーターステートメント

「物極必反」は、物事が極まると必ず反転する、という中国の故事成句です。
何事につけ限度を超えると、それは反対のものに変貌してしまう。
愛は憎しみに、美は醜に、真実は欺瞞に、正義は悪に。
あるいは、これらが逆方向に反転することもあるかもしれません。

ここから得られる教訓は「やりすぎはよくない」ということになります。
本展ではこれを「既存の価値規範に則りながら、高い価値の方へと極端によせていくこと、をもういい加減やめてみる」と読み替えます。

展覧会は「映像」「絵画」「イベント」「印刷物」という4つのカテゴリーで構成されます。それぞれがほぼ無関係である。各自勝手に動くカテゴリーの共存を展覧会の一つのライン、こう言ってよければ平等の水平線とします。

青山真也による映画『東京オリンピック2017 都営霞ヶ丘アパート』の上映ならびに制作中の『大阪万博 進歩と調和』(仮) からのフッテージ。それらは現実を「見る」、「残す」、「変える」のすべてに作用するドキュメンタリー映画の豊かさを映し出すでしょう。

ヤンニス・アリストテルスと山田康平による抽象絵画たちは、それぞれ別の何かを表明しています。また、彼らは多くのことを要求してもいる。わたしたちはそれに反応する。応答する。返礼する。

永田奈々禾によってオーガナイズされたイベントの数々には、人が集い、ないかを議論し、共有することの「かけがえのなさ」が宿っているはずです。

展覧会はいつも特別でありながら、同時に、どこでも起こりうるものとして一般化される。森大志郎による印刷物たちは、その原則の物質化として存しています。

いささかバランスを失ったかのようにみえる展覧会の中にも、感性的な均衡が保たれはじめる。バラバラなものが結びつくこともあれば、結びつかないこともある。展覧会はこのように、互いに異なる小さな出来事の連鎖として構成されています。

遠藤水城

代表コメント

Goyo Gallery 木村賢次郎
AWASE gallery 山田康平
AWASE gallery 松井陸


▼Artists


青山真也
(https://x.com/aoyamema)
映画監督、アーティスト、料理研究者
映画制作をする傍ら、撮影や編集の技術者として美術作家や音楽家と共同で映像作品や記録映像を手掛ける。
監督作映画:『東京オリンピック2017 都営霞ヶ丘アパート』(2021)。
撮影監督作:『ミクスト・レビューズ(ジャパニーズ)』(2021 クリスチャン・マークレー作品)、『「解体」記録映像』(2023 持田敦子作品)など。

Ioannis Aristotelous(ヤンニス・アリストテルス) 
(https://www.instagram.com/aristotelousioannis/)
1995年生まれ。京都を拠点に活動する美術作家。
絵画を光の痕跡としてとらえ、そこに自身の身体と物質の相互作用を刻んでいく。
アリストテルスの創作は、無意識への遡行であり、喪の作業であり、能動と受動の間を揺れ動く熟考でもある。ウィーン・アクショニズムの影響を深く受けた彼の作品は、視覚中心的な現代絵画から離れ、鑑賞者の空間認識・時間認識に直接作用する一つの特殊な場として成立している。それはあるアルカイックな容貌を有しており、人間の無意識的な感情や記憶の確かな「器」でもあるだろう。

永田奈々禾(ながた・ななか)
(https://www.instagram.com/nagata_1512/)
2006年生まれ。2025年より多摩美術大学芸術学科在籍。
現代美術を中心に、芸術と社会、物語、言語などの関係について考察し、批評・評論の執筆を行っている。特に、芸術をめぐる「語り」や意味づけの構造に関心を持ち、哲学・美学・社会思想などを横断しながら、現代の芸術表現を批評的に捉えることを試みている。また、同人誌〈泉〉の主宰として美術誌の編集・出版活動を行っている。



森大志郎(もり・だいしろう)
1971年生まれ。美術展や映画祭カタログ等の印刷物企画・設計・制作に従事。主にエディトリアル・デザインを手がける。
美術分野の主な仕事=『Dan Graham by Dan Graham』(2003)、『瀧口修造とマルセル・デュシャン』(2011)等、千葉市美術館。東京国立近代美術館ギャラリー4展覧会シリーズ(2005ー2015)を三輪健仁[現・東京国立近代美術館美術課主任研究員]とともにディレクション・制作、『ヴィデオを待ちながらー映像、60年代から今日へ』(2009)、『ぬぐ絵画:日本のヌード1880-1945』(2011)、『14の夕べ』(2012)、『Re: play 1972/2015「映像表現’72」展、再演』(2015)等、東京国立近代美術館。東京都現代美術館MOTコレクションシリーズ(2009ー2013)のディレクション・制作、『MOTアニュアル2011 Nearest Faraway|世界の深さのはかり方』(2011)等、東京都現代美術館。『Grand Openings, Return of the Blogs』(2011)、ニューヨーク近代美術館。『ヴォルフガング・ティルマンス Your Body is Yours』(2015)等、国立国際美術館。『田中功起 共にいることの可能性、その試み』(2016)等、水戸芸術館。『志賀理江子ブラインドデート』(2017)丸亀市猪熊弦一郎現代美術館。『引込線2017』(2017)引込線2017実行委員会。『岡﨑乾二郎 視覚のカイソウ』(2019)豊田市美術館。『荒川ナッシュ医 ペインティングス・アー・ポップスターズ』(2024)等、国立新美術館。『「出版物=印刷された問題 (printed matter)」:ロバート・スミッソンの眺望』(上崎千との共作『アイデア』320、2007年 01月号、誠文堂新光社)などを制作発表。

山田康平
(https://www.instagram.com/kumakuma0523/)
私は絵を描く時に、オイルを画面にたっぷりと垂らしてから筆を動かし始める。そうすることで、画面の中ではノイズを保ちながら、絵の具が滲み、垂れ、混ざることで様々な記憶、記号が湧き上がってくる。四角い画面の中で絵にするために、形になるものとならないものの行き来を画面の中で行っている。
山田康平は1997年大阪府生まれ。2020年に武蔵野美術大学油絵学科油絵専攻を卒業、2022年に京都芸術大学修士課程美術工芸領域油画専攻を修了し、現在は東京を拠点に活動。
主な個展に「支える軽さ」隙間(東京、2025年)、「Borderline」Arario Gallery Seoul(ソウル、2025年)、「Strikethrough」タカ・イシイギャラリー(東京、2023年)、「それを隠すように」biscuit gallery(東京、2022年)、「線の入り方」MtK Contemporary Art(京都、2022年)、京都岡崎 蔦屋書店ギャラリースペース(京都、2022年)、「road」代官山ヒルサイドテラスアネックスA(東京、2021年)。主なグループ展として「Brick, Breath, Horizon」Zian Gallery x Lisson Gallery(上海、2025年)、「Fluid in Forms」Arario Gallery Shanghai(上海、2025年)、「Everywhere It Goes」Mai 36 Galerie(チューリッヒ、2024年)、「日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション」東京都現代美術館(東京、2024年)、「コレクション展示:新収蔵作品紹介」群馬県立近代美術館(群馬、2024年)、「Abstraction (re)creation―20 under 40-」Le Consortium(ディジョン、2024年)、アートフェア「ARTISTS’ FAIR KYOTO」京都文化博物館別館(京都、2021年、2020年)に参加。主な受賞は、CAF賞(2020年)入選。


▼Curator


遠藤水城
1975年札幌生まれ。art space tetra(2004 年・福岡)、Future Prospects Art Space(2005 年・マニラ)、遊戯室(2007 年・水戸)などのアートスペースの設立に携わる。2005年、若手キュレーターに贈られる国際賞「Lorenzo Bonaldi Art Prize」をイタリアで受賞。アーカス・プロジェクト、HAPS、KACCOなど芸術家支援プログラムのディレクターを歴任。2017-2020年は、ハノイに新しく設立されたVincom Center for Contemporary Art の芸術監督を務めた。国際美術評論家連盟会員。


▼展示会情報
【Date】2026/10/3(Sat.) – 10/24(Sat.)
【Open】12:00 – 19:00
※毎週水曜日|13:00 OPEN
展示会最終日|17:00 CLOSE
【Closed】Sundays, Mondays
【Location】TERRADA ART COMPLEX II 3F, 1-32-8 Higashi-Shinagawa, Shinagawa-ku, Tokyo 140-0002